2009年12月27日

『三島由紀夫との衝撃的な出会い』

チーム桜子・加藤 美奈子


みなさまこんにちは、加藤です。


今回はすこし中だるみということで、自分と三島由紀夫先生との、

衝撃的な出会いについて書きます。


年末なので、ゆるーい?話を聞いてください。


あまりよく知らない方のために…


三島由紀夫とは→1925年生まれで、

20代で早くも文壇で地位を確立し、小説・論説・演劇・映画など

昭和20年代半ばから常に話題の人でありました。


のちに「右翼的な」政治活動に傾倒し、1970年45歳の時に、

自衛隊市ヶ谷駐屯地でクーデターを呼びかけましたが失敗し、

割腹自殺をした人です。



文学にあまりハマることのできなかった10代の私は、

ほとんど三島由紀夫のことを知らずにいました。


NHKで見た割腹自殺の演説以外に、

「右翼で美輪明宏の知り合いで、なんだかとっても偉い人」

という知識しかありませんでした。


若い頃の美輪さんは、めちゃくちゃ綺麗ですね。

今はピカチュウよりずっとブライトカラーですが…。

1pikatyu.jpg



そんな真っ白状態の私が、初めて出会った三島由紀夫作品は、


「薔薇刑」!!


三島ファンならご存知の、

三島由紀夫先生の鍛え抜かれたボディーを

フンドシ一丁にして撮影した、

あの伝説の奇書、三島由紀夫ヌード写真集であります。


どこで見たのか忘れましたが、こんな本です

2hyousi.jpg



2fundosi.jpg



知り合いの家で見たのなら、

その人のことを絶対覚えているはずなので、

古本屋かもしれません。


当時は立ち読みできましたが、古書で数十万、

復刻版で5万円(即完売)するような貴重品だったんですね!(汗)

のちに「20世紀101冊の名作」に選ばれたんですね!



わたしは20代になったばかりの

お肌ツルツル乙女でございましたが、

食い入るように本屋で「薔薇刑」をガン読みしました。

きっと店主に嫌がられたことでしょう。


私のにじむ手の汗で、商品の価値が下がったかもしれません。

幼女の汗ならまだ価値が…いや失礼。


「み、三島由紀夫って、あのすごく偉い人だよね!?同一人物?

TVで見たのと同じ人に見える…」


戸惑いをあざ笑うかのように、

その人は三島由紀夫先生その人であることが、

読むうちにわかってきました。


……ちょ…、先生!!!?


先生、なんでヌード!?


混乱しました。



国語便覧でチラッと読んだだけでも偉く感じた三島先生が、

あられもない姿で次々と現れて、

「生きていると色んな衝撃があるな」と、

ドキドキしながらページをめくりました。


今でも思い出すと冷や汗が出てきます。

3barakei.jpg


4barakei.jpg



5misimabara.gif


http://www.athens.co.jp/store/111_315.html


よ、よくわからないけど、

先生のギャランドゥ(へそから下へ連なる毛)が見えております!!


立派な身体ですが、ぜんぜん全くそそられません!!


男のヌードに、そもそも興味がありません!!

エロスを感じません!!


身体に生えた毛のチクチク・もじゃもじゃ感が、

写真にするとひどく目立ちます!


やはり兄貴ヌードはツルッとするべきです!?


先生!鍛えたお尻が見えております!まりもッコリです!


眼がマジです!


眼力が尋常ではありません!


わずかに恥じらいが感じられ、見ているこっちが恥ずかしいです!!


これはSMですか!?


60年代の夜明けを飾る、前衛アートですね!


前衛過ぎてよくわかりません!!



わたしの頭で警報がなりっぱなしです!!



高校の国語便覧に載っていた、偉い三島先生はどこですか!?



そこが本屋であることを忘れるくらい、

頭をうずめて読みふけりました。


女性のヌード本も買えないのに、

男性ヌード写真を買う度胸はなかったし、財布も空なので、

心臓をバクバクさせながらその場を立ち去りました。


本屋さんごめんなさい!



以来、

「三島由紀夫 = フンドシ + 剛毛 + 眼力」

の回路がわたしの脳内で出来上がってしまいました。


この人は…常人とは違う次元で生きている人なんだろう。


そしてなぜ海外で人気があるのか?


ゲイカルチャーのカルト的カリスマなのか??


なぜ尊敬されているのか?



このような衝撃的な出会いをしてしまったために、

薔薇刑の三島先生がチラついて、

ちゃんと読む気になれませんでした。黒フンドシにSMですよ!?


しかも自衛隊で演説した後に割腹自殺って、一体何者だい…。


三島先生との交友関係を自慢している美輪さんは、

なんだか冥界と現世を自由に行き来できるみたいだし…。


というわけで、

ちゃんと三島文学に触れようと思ったのは、だいぶ後です。



2005年に

映画「春の雪」が公開されたので、友達と見に行きました。


その日に上映されている、一番まともそうな作品だったし、

あの薔薇刑の三島先生は一体どんな文学作品を書いていたのか、

まだ興味があったからです。


ロマン・耽美小説だと聞いたことがあるが、

フランス映画みたいな感じなんだろうか。

あの眼力で書いたんだろうか。



映画の感想は……(以下ネタバレ注意)***********



綺麗な映像だな…しかし最後の雪のCGがすべて台無しだな…

主人公(妻夫木聡)のやることなすこと、

青二才過ぎて、ついていけないよ…。


要するに、お互いリビドーの一番高い時期に、

欲望にまかせ全てを捨ててふけるくらい、

ものすごい快楽を味わったってことか。


「いけないこと」の最高レベルをクリアしたんだから、

尼さんになっても別に、一生分の思い出ができたし、

よかったじゃん。


青二才も良かったね。この先、誰と結婚しても満足できないだろうよ。


馬鹿だね。


それを悲劇的に描いているのが、なんだか入り込めないよーーー。


映画が悪いのか、原作が悪いのか、わたしの頭が悪いのか。

****************************


しかも途中5分くらい寝てしまった。


泣いてる人がいるよー。どこら辺で泣くんだ一体。


そこで、原作を読んでみようという気に少しなりました。


映画にするくらいだから、原作はもっと面白いはず。


黒フンドシは、無かったことにしよう。

あの眼力と筋肉を忘れるんだ!


その日、本屋に行ったら、

別の興味をひかれた本を買ってしまい、頓挫。


しばらくした後に、古本屋で

三島由紀夫の本を(薔薇刑以外で)初めて手に取りました。


「反貞女大学」(筑摩書房)という軽めのエッセイ本でした。


ほう、わたしの苦手な耽美路線でないし、なんか面白そう。

ぱらっと見た感じ、あの剛毛を忘れられそうな感じだし。


内容は、週刊誌に連載していた男女についての

エッセイをまとめたものでした。



これが……



思わず爆笑のおもしろさ!!!


まるで漫画を読むのび太みたいに、ゲラゲラ笑って読みました。


わたしも男女の機微について少ない経験から色々学びましたが、

私の言いたかったことが、ほぼ全部書いてある。


まとめて日記に書きたかったのに。


しかも

生きていたら80歳になる爺さんに、40年も先を越された。


私なんかが書くよりもはるかに面白い文章で。


非常に鋭い洞察力だけれど、

まだ40歳そこそこの人が書いたものです。


これだけリビドーの強そうな人は、特に男の人だと、

まだ欲望が強すぎて

冷静に分析できないのではと思っていたのですが、

三島由紀夫はリビドー以上に知力が勝っていたのかもしれません。



非常に感銘を受けました。



これがやっとたどり着いた三島文学の入り口となりました。



読み終わったあと、心の中で叫びました。



「私なんか最初から敵うはずないけれど、それにしてもすごすぎ!


三島爺さん時代先取りしすぎ!


三島爺さんかっこよすぎ!!


洞察力ありすぎ!!


文章うますぎ!!



もうフンドシ姿は良いイメージにすりかえられる!…た、たぶん!


あの眼力が、やっとかっこよく思えるよアニキ!」



そこで、三島由紀夫文学を片っ端から買ってみました。


残念ながら、「春の雪」は

最初10ページくらいでどうしても寝てしまいます。


耽美路線は性に合わないかも…。


評論やエッセイは何冊か読みました。



「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」

とビスマルクは言いましたが、

三島由紀夫は45年しか生きていないのに、

30〜40代ですでにこの洞察力!

まさに賢者でしょう。


死後40年たってもなお、その言葉の価値は増すばかり。


ここまでの天才だと、

もう40歳で人生に探求するものがなくなって、

つまらなくなるのかもしれません。


割腹自殺は、

「どうせもうやることないし、目的(日本の未来)のために

最高にインパクトがあってかっこいいことをしよう。」

と思ったのかもしれません。

(三島初心者の意見なので、違ってたら教えてください)



とにかく常人ではない。


読んでおもしろい、観ておもしろい、行動がおもしろい。最高です。


耽美路線や「聖セバスチャンの殉教」に性的興奮を覚える(?)のは

全然理解できませんが、心から尊敬しております。


太宰治を嫌いなのも、同じ趣味で安心しました。


先述の「反貞女大学」の後にある「第一の性」に、

ボードレールの句を引用し、

「悪趣味の忘れ難い魅力は、

他人に嫌がられるという貴族的な快味にある」

と三島ダンディズムについて言い訳をしていました。


自分自身の鍛えた身体については、

「代書き屋の顔とニコヨン(日雇い労働者)の肉体」

と書いてあります。またまたご謙遜を。


先生の、世俗的なのか退廃的なのか貴族的なのか、

ボーダーラインがわからないところが好きです。



三島先生の先見の明も、読むたびに驚かされます。

洞察力はとどまるところを知りません。

できたらもっと長く、先生の言葉を拝聴したかったです。


三島由紀夫は全然知らないという方がいたら、

ぜひ読んでみてください。

おもしろいですよ。

耽美好きなら小説から、政治好きなら論文から、

漫画好きならエッセイから、おもしろ人間好きなら

ウィキペディアから読んでみてください。


きっと興味がわくはずです。


以上、三島由紀夫のススメでした。



追記:

「薔薇刑」を持っている三島ファンの方、

今度は手袋をつけて拝見させていただきますので、

どなたか見せていただけませんか?


あの興奮をもう一度……(^▽^;)


あと、石原さんが太宰ブーム批判をしたそうですが、

そこに三島先生の言葉が引用されていました。


「太宰の抱えている問題なんぞ、

毎朝冷水摩擦とラジオ体操をしていれば治ってしまう」※

と言ったそうです。



ちょ…うけるwww 三島先生面白すぎ!!!www

(wは「笑」の意味です)



「太宰治は病気でもなんでもいいから、

死ぬ時くらいひとりで死ね!!」と感じていたので、痛快です。

(太宰ファンの方がいらしたらごめんなさい。)



こういう毒舌爺さんは、むかしはたくさん居たように思います。


世の中の爺さん、もっと毒舌になれ!頑固じじいになれ!!

とエールを送りたいです。



ヌードにはならないで!



※正確には、下のように書いていたそうです。


「太宰のもつてゐた性格的欠陥は、少なくともその半分が、

冷水摩擦や器械体操や規則的な生活で治される筈だつた。


第一私はこの人の顔がきらひだ。

第二にこの人の田舎者のハイカラ趣味がきらひだ。

第三にこの人が、自分に適しない役を演じたのがきらひだ」


顔が嫌いって…w 毒舌が過ぎるよ先生!


本当に病気の人は冷水摩擦じゃ治らないよ!ひどいね先生(^-^;)

 
 
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posted by チーム桜子 at 17:51| Comment(6) | TrackBack(1) | 加藤美奈子
この記事へのコメント
はじめまして。
衝撃の出会いから師と仰ぐに至るまで。
加藤さんの文章にものすごく引き込まれました!

エッセイ読んでみますね!
Posted by はち at 2009年12月27日 23:16
 大変、面白く読ませていただきました。
 三島氏の太宰氏に対する評価は、私の考えにも似たとこあり、言いにくいことをバッサリ書いてくれてるとこが気持ちいいですね。
 私には、三島氏の作品は難解なイメージが強く、唯一、読破できたのは「潮騒」ですが、他の作品も再トライしてみたくなりました。
 それにしても、「自衛隊よ、決起せよ!」と激を飛ばしていた三島氏が、反戦反戦、と唱えている美輪明宏さんを愛し続けていたのも、ちょっと皮肉ですね。
Posted by コアコア at 2009年12月27日 23:18
  夫婦別姓の本当の狙い

1 選択的ということで別姓夫婦もいるという
  口実で戸籍制度を家族籍から個人籍へ移行。
2 個人籍になり日本伝統の家族制度崩壊
  戸籍廃止論を必ず盛り上げる。
  これが夫婦別姓の目的。
3 戸籍制度廃止 日本人と外国人の区別形骸化
  抵抗ある日本苗字を名乗らなくてよい
  中国人が押しかけ永住。
  二重国籍容認 千葉法務大臣など
  中国等から移民大量受け入れ
  外国人参政権 民主幹部ほとんど賛成
  もちろん国政参政権も 鳩山由紀夫が発言
  民主党政策集INDEX2009 民主党HPに掲載
4 日本が中国共産党の傀儡政権化
  これが究極目的。
Posted by ka03 at 2009年12月28日 01:15
こんにちは。
今回もハードなお話ですね。(笑)
三島由紀夫の印象がかなり変わりました。まあ、ほとんど知りませんでしたが。
面白すぎますね、この人。
ヌード写真と太宰には冷水摩擦のうえに顔が嫌いですか。
素敵ですね、三島先生。

本当に病気?の人に冷水摩擦、案外治るかも。
僕は根が重度の怠け者ですから、気を抜くとついダラダラとしすぎてしまいます。
あの世から三島先生に冷水をかけられる前に気合い入れ直さないと。

三島先生の本読んでみます。
今回も楽しかったですよ。
Posted by 白地に紅い日の丸 at 2009年12月29日 07:43
こんなに筋肉質とは知りませんでした
凄いですね
私は金閣寺で三島さんを知りました
他のも読んでみようかな。
Posted by at 2009年12月30日 21:52
ブログを読ませていただきありがとうございます。
来年も良い年になりますように。
Posted by 近畿んに冷えたビールとの出会い at 2009年12月31日 16:09
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